買い物をしたり、お茶したり、今はお城が見えるベンチに座っている。
ちょうどいい気候で、野外のベンチに座っていても寒くない。
ゴールデンウィークの始まりだが、人出はそんなに多くない。
旅行客なのか、トランクを転がしている人もよく見るようになった。
時間があるので、もう一軒何処かのカフェに入ってお茶しようかとも思ったが、気候が良くなって、今珈琲を飲んだばかりなので、野外のベンチの方が気楽でいい。
ボケーっとしていると、さっきまで悩んでいたことも忘れてしまっている。
さっきまで何を悩んでいたか思い出すのに思い悩んでいる。
悩むのが好きみたいである。
悩む代わりに楽しいことを考えてみる。
楽しいことは考えるよりやった方がずっと楽しい。
だから、楽しいことを考えることは少ない。
悲しい磋硪である。
前を歩いて通り過ぎる人の顔を見ても、楽しそうにしている人は少ない。
悲しくて悲しくてやりきれないと歌っていたフォークシンガーもいた。
人生の表舞台が喜びなら、裏にはいつも悲しみがある。
どちらも人間を輝かせるスパイスである。