心の旅路のブログ

スピリチュアルと本と音楽とヨガが好きな65歳男性の日記です。

退職後134日目、今日は一日曇りの予報、曇の向こうには、青空が優しく微笑んでいる。

昨夜は桐野夏生さんの抱く女という小説を読み終えた。


この小説は1972年の月名が各章の題名になっている。


1972年といえば、私の高校一年生の時である。


この小説の主人公は大学生の女性で、雀荘やジャズ喫茶が頻繁に出てきて、マイルスやコルトレーンとかいうジャズミュージシャンの名前、それから実際に今も存在する東京のジャズ喫茶が実名で登場する。


ということは、50年以上もそれらのお店は存在していることになる。


そういえば、私も何十年も前、東京に出張した時に、四ツ谷にあった、いーぐるという、有名なお店に行ったことがある。


その頃はスイングジャーナルというjazzの月刊誌の一月号を必ず買っていた。


その号に年間のアルバムの受賞作品が掲載されて、カタログみたいな年間に発売されたアルバムの小冊子が付録で付いてくるからである。


話が逸れたが、その作者は私より4歳上なので、その時ちょうど大学生で、自分の時代のことを描いたのであろう。


主人公の兄も、学生運動の内ゲバで重症を負って亡くなるのであるが、主人公の女性は色々なことが重なって、自分を失った行動に走るのだが、最終的には、好きなミュージシャンの付き人の男性を頼って、家を出ていくところで小説は終わっている。


私が大学生になった時は、もう学生運動もほぼ無くなっていたので、概要はテレビの映像でしか見ていないが、その時代の渦に巻き込まれたさまざまな青春があったことを再認識させられた小説だった。


青春といえば、名前は忘れたが、ある詩人の詩に、青春は歳ではなく、心の状態を示す、というのがあったように思うが、私の中でも青春の部分は、そのまま息づいているようだ。


ただ、たくさん生きた、その経験の重みもしっかりとあるので、純粋さには欠けるかもしれない。(笑)


まあ、あるもので満足して、生きてみようと思う。