退職後781日目、何も予定のない土曜日の朝、図書館で借りていた象の背中を
読み終えた。
読むきっかけは、昔のメモ帳を読み返していた時に、「どうして興味がなくなったのですか。その日までがもったいないからですよ。(象の背中)」という一文を見つけ、何故この文章をメモ帳に書き留めたか知りたくなったからだ。
さすがに、もう20年近く前に読んだ作品なので、ほぼ内容を忘れていて、最後の方は涙を流しっぱなしで、かなりティッシュを使ってしまった。
死の宣告を受けた働き盛りのサラリーマン男性が残りの半年をどう生きたかを綴ったものであるが、死というものが、過去の自分が犯した罪に対して素直に向き合って償っていく様がとても潔くて、涙が出るのである。
まあ理想的な死に様と言える。
今の自分に置き換えると、先はそんなに長くはないだろうが、まだまだ死の宣告を受けたわけでもないので、この小説の主人公のような気持ちにはなれないが、そんなに余裕があるとも言えないので、カッコつけずに、やりたいことを素直にやっていこうと思ったりするのである。
メモ帳に書いた「どうして興味がなくなったのですか」というのは、出世に対して、ということで、その時何故その部分に感動したのかは分からないが、今ならその気持ちはよく分かる。
何かのために何かをするというには、残りの時間が短すぎるかもしれないのだ。
もちろん、100歳まで生きるかもしれないので、それなりの準備なしでは、それはそれで心細いのである。
というありきたりの結論になってしまったが、おニャン子クラブとかAKBのイメージしかなかった秋元康さんであったが、この小説には脱帽である。
久しぶりに読書日記を付けたが、前に読んだ作品でもいい評価をしている作品はもう一度借りて読んでみようと思った。
たまには涙を流すのもいいだろう。
カフェとかで読まなくてよかった。(笑)
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